愛着障害

頭が真っ白になるのです。

なぜ真っ白になるのかと言えば、

問題を間違えたとか、少し会話が通らなかったとか、

予定が変更されたとか、突然やることが追加されたとか、

日常起こる些細なことです。

 

頭の中で理解しようとしているうちに、

身体は動かなくなり、そのことに苦しむようになりました。

まるで大きな靴を履いたように、

自分の身体という靴を持ち上げることが出来ないのです。

私は完璧でない自分が許せないのです。

そのことに気が付いたというのに、

頭の中でどうにかやっていこうと思っても、

身体がちっとも制御出来なくなってしまいました。

 

私には失敗してもいい時代が一度もありませんでした。

ご飯は美味しく食べなくてはいけないし、

食卓では楽しく会話をしなくれはいけないですし、

友達と仲良く出来たと報告しなくてはいけないですし、

ゲームはイライラせず楽しくやらなくてはいけないですし、

友達とは喧嘩もせず、何かあっても許さなければならず、

母の機嫌を損ねれば父は怒り、

近所の子と少し喧嘩をすれば母から暴言を吐かれ、

家から追い出されました。

母にとっては私よりも私のお友達の方が大切でした。

だから私は友達を増やすことをやめました。

大勢に嫌われないようにするのは難しいから、

大勢と一緒にいることをやめました。

人間関係で完璧であることは難しいから、

人間関係を作ることを、私はやめたのです。

 

私の人間関係は上下関係と利害のみのものになりました。

先生が私に優しくしてくれたから、

大人の人が好きになりました。

同級生は私を嫌うから、同級生は嫌でした。

私が仲良くなりたいと思ったところで、

私がいない方が楽しいと同級生言っていました。

体育にとりえのないよそ者の人間は、

小学校の世界にはいらない存在だったのです。

私は好き好んで人を不幸にしたいわけではありませんでした。

だから人が喜んでくれる精一杯のことが、

私が目の前からいなくなることだったのです。

 

学校は誰かを虐げることで誰かと結びつく世界でした。

被害を受けた私からしたら許せないことだけど、

大事にする誰かを選んでいるというのは、

立派なことにも思うのです。

母は人を大切にするように口では言うけれど、

誰も大事だと思っていないことを、

どこかで無意識に感じていたのかもしれません。

 

母は自分の体裁だけが大事でした。

そのためになら家族を亡き者として扱いました。