人はどろぼう

私の心は底面に常に怒りがある。
少しの刺激で底から怒りは湧き出して、
抑えようとするとさらに暴発する。

紛らわそうとすると、他のことを考えようとすると、心の底から「私の怒りを見て」「そんなもので私を無視しないで」「貴方も私のことを捨てるの」とさらに怒り狂う。

昔はそんな自分を妄想の中で殺していた。
誰かに支配されて、誰かの物になった気になって、自分の気持ちを溶かしていた。
妄想の世界では私は誰かのものであり、誰かは私以外のことを嫌ってて、すぐ二人の世界になれた。殺していたというよりも、酔わせていたのかもしれない。

今は出来なくなった。愛情をくれなかった母がそばにいなくなって怒りを抑圧する必要がなくなったのと、夫という現実からの供給を知ってしまったからだ。

夫がいるのに私は今でも怒りを離せない。
与えられなかった事実への怒りは別なのだろうか。何故なんだろう。私は疲れてて、楽になりたいのに。私はこの怒りをどこに吐き出せばいいんだろう。